涙がこぼれる季節(とき)【完】
中学1年生

見ているだけの日々

<吉崎修太郎>


地元の公立中学校――S中に入学すると、オレは野球部に入部した。


オレは小学生の時から少年野球チームに入っていて、中学はもちろん高校でも野球を続けるつもりだった。


だから中学でクラブチームに入るかどうか迷ったものの、最終的にS中野球部に入ることを選んだのだ。



半年以上経った今、この選択は大正解だったと思っている。


部員たちも、教室ではふざけていても練習中は真剣だったし、顧問の先生も野球経験豊富で練習内容のレベルも高かった。



それになにより。

1年生マネージャー、水沢結衣の、存在。



うちの部には各学年に2、3人の女子マネージャーがいて。


みんなキビキビと、雑用や練習の補助など部員のサポートをしてくれている。



中でも、いちばん小柄な水沢は、いつでも明るく一生懸命。



……そして。

めちゃくちゃ可愛かった。



練習後「お疲れさま~」と部員に向ける笑顔に、オレはかなり癒されていた。

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