涙がこぼれる季節(とき)【完】
高校1年生

忙しい日々

K高校の入学式。


新入生代表の挨拶は、佐伯だった。


余談だが、中学卒業後に見せてもらった佐伯のテスト成績表は、すべて1(位)で埋め尽くされていた。



格段に優秀な、美少女――佐伯は、しばらく時の人となり、入学式翌日、野球部に入部してくると部員たちは色めき立った。



おかげで、4人の1年生マネージャーの1人――結衣が、オレと視線を交わしたこともその口元に笑みが浮かんだことも、誰にも気づかれずにすんだ。

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