涙がこぼれる季節(とき)【完】

片想い×片想い×片想い

<松山悠斗>


「悠斗の言うとおりだった」


結衣を送った後、美桜が俺に告げたのは、結衣はシュウを好きだが完全に片想いだと思い込んでいる、ということ。


「だから、せめて友達として笑い合えるようになりたいって言ってた」

「友達?」


お互いに、それ以上の感情を抱いているのに――?


「あんな寂しそうな結衣、初めて見た」


寂しそう――?


俺の知っている結衣は、いつでも明るく元気で、無邪気に笑っていた。


そんな結衣が、シュウを想って胸を痛めている?


シュウを、想って――?

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