涙がこぼれる季節(とき)【完】
中学3年生

ため息

<水沢結衣>


3年生になってもクラス替えはなく、私と吉崎はクラスメイトにもなれないままで。



たまに教室を覗くと、吉崎はやっぱり男女関係なく楽しそうに笑っていた。


そして、その中に、隣りの席の女子――白井さんが必ずいた。



白井さんは陸上部で足が速い。


吉崎も俊足だから、速く走るコツとか話したりして気が合うのかもしれない。




……もしも、私が同じクラスで隣りの席になったとしても。


吉崎はきっと、こんなふうに私に話しかけてくれないだろう。



白井さんの笑顔が羨ましくてまぶしくて、つい、ため息が出てしまった。

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