涙がこぼれる季節(とき)【完】
言うつもりなんてこれっぽっちもなかったのに――。


オレには絶対言えないだろうと思っていたのに、思わず飛び出した告白。




自分でもびっくりしたが、それ以上に驚いたのだろう。


水沢は、大きく見開いた瞳でオレを見ていた。




もうこうなったら、言いたかったこと、全部言ってしまおう。


「これからも一緒に帰りたいんだけど、ダメかな?」


思いきって言うと、水沢の瞳がみるみる潤んで、涙がこぼれた。

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