今宵、恋が舞う。




「しかも、今回はお前の企画だというのに……全く」


「まーまー、それくらいにしてあげなよ。三宅は厳しすぎるんだから。ほら、怯えてる」


課長と私の間に入ってきたのは、お隣の総務課の部長であり、三宅課長の大学時代からの友達であるという根岸 秋(ねぎし あき)さんだった。


根岸さんは、とても明るい。
きっと、課長とは真逆の性格だと思う。
基本笑顔が絶えず、友達と呼べる人も多い。
そして、かなりのイケメンで、モテる。
会社でも『根岸 秋に惚れない女はいない』という伝説まで残しているらしい。


そんな根岸さんが、課長と仲がいいなんて、未だに考えられないのだけれど。


「根岸……だからお前は甘いんだ。自分の考えには責任を持てと言っているのであってな、」


「はいはい。颯ちゃんの言いたいことはよーく分かったから。ほら、初美ちゃんも自分のデスク戻った戻った」


そう言って根岸さんはさっさと自分の課に戻っていってしまった。





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