涙色に染まる鳥居の下で
奈津美
12月1日、私は部屋でひとり、スマホの画面を眺めていた。
「秘密のアルバム」と名づけた画像フォルダを。
そこには、お兄ちゃんが一人で写っている写真や、お兄ちゃんと私が二人っきりで撮った写真が収められている。
そう……私はお兄ちゃんに対して、特別な感情を抱いているから。
しかし、それは決して背徳的なものではない。
なぜなら、お兄ちゃんと私の間には、血の繋がりはないからだ。
「はぁ~。またデートしたいなぁ」
独り言を言ったあと、ベッドの上に移動し、仰向けに寝転がる。
「うーん、でも……。そんなに頻繁に誘いすぎると、迷惑かもしれないなぁ」
静かに眼を閉じる私。
そうだ!
いいこと思いついた!
目を見開くと、スマホを操作し始める。
お兄ちゃんに、電話、電話、と。
お兄ちゃんが電話に出るまでの間、右手で髪をいじる私。
落ち着かないよ~。
まだかな、まだかな。
「あ、お兄ちゃん? えっと、明日、出かけない? うん、行きたいところがあってね……」
「秘密のアルバム」と名づけた画像フォルダを。
そこには、お兄ちゃんが一人で写っている写真や、お兄ちゃんと私が二人っきりで撮った写真が収められている。
そう……私はお兄ちゃんに対して、特別な感情を抱いているから。
しかし、それは決して背徳的なものではない。
なぜなら、お兄ちゃんと私の間には、血の繋がりはないからだ。
「はぁ~。またデートしたいなぁ」
独り言を言ったあと、ベッドの上に移動し、仰向けに寝転がる。
「うーん、でも……。そんなに頻繁に誘いすぎると、迷惑かもしれないなぁ」
静かに眼を閉じる私。
そうだ!
いいこと思いついた!
目を見開くと、スマホを操作し始める。
お兄ちゃんに、電話、電話、と。
お兄ちゃんが電話に出るまでの間、右手で髪をいじる私。
落ち着かないよ~。
まだかな、まだかな。
「あ、お兄ちゃん? えっと、明日、出かけない? うん、行きたいところがあってね……」