裏道万屋の事情
『いやだから…何でサイズとか分かるんですか??』

「全く以て無味乾燥な質問だね、ナオ!!そんなの計ったからに決まってるだろう??」

『まぁそーですよね。…じゃなくて!!計ったぁ?!いつっ!!どこでっ!!』

「そんなの昨晩寝静まった後しかないだろう??ナオはまだまだ判断力が足りないね!!学生はもっと勉強して思考力を養いたまえっ。」


今何つったこいつ何つった??
昨晩寝静まった後?!



『何やってんだぁあんたぁ!!!!不法侵入とセクシャルハラスメントで訴えてやるっ!!!!』

「はっはっは、案ずる事はないさ、ナオ!!ナオの胸がぺったんこな事は僕とナオの永遠の秘め事さっ!!」

『言ってる言ってる!!今正に人の前で秘密暴露しちゃってるからねぇぇ!!??ってか気色悪い言い方すんなゴルァ!!!!!!』



誰かこの変態の暴走を止めて下さい………。



「良いじゃん、菜子。」

『何がっ!!どこがっ!!何でっ!!』

「俺、見たい。」

「は??!!」



まさかの嵐の変態疑惑浮上かっ???!!!



「菜子には何でも似合うよ。」

『っ………。』



何故か嵐のその一言で、あたしのはらわたが煮え繰り返る程の怒りのボルテージは徐々に下がっていった。



「何も最初からビキニで行けとは言ってないだろう??それは持っていくのだよ。で、これを着ていきたまえっ!!」



今度ヨリさんがあたしの目の前に広げたのは、控えめに少しフリルをあしらった白の涼しげなワンピース。

可愛い………けど。



『あたしこんな女の子女の子した服着た事無いんだけど……。』



あたしは基本ラフな格好を好む。TシャツにGパンとかショーパンとか、動きやすいのが良い。



「だったら尚更着るべきだね!!そして着替えたらユウの部屋へ行きたまえ。さぁ、じゃぁアラシは僕の部屋へ来るんだ!!」

「うん。」



そう言って二人は部屋を出て行った。



……………………………。

え??何??

これは着なきゃいけない状況…??



あたしは気が進まないながらもワンピースに身を包んだ。
< 133 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop