Love Flower~舞~


「ただいまー。」


「桔梗!今何時だと思ってるんだ!!」


「………」


「何か言ったらどうなんだ?」


「酒臭…」


家に帰ると、滅多に怒らない父の機嫌が悪かった。


遅く帰ってきたと言っても今は夜10時だ。


確かに少し遅いかもしれないけど、別に今日だけの話じゃない。


なんで、機嫌が悪いからって今まで言われなかったことを怒られなきゃいけないのかわからない。


そもそも、転校ばかりしてる私に遊ぶ人が初めて出来たって気づかないのか。


洋介君はあの後告白してくれたけど、恥ずかしくて、逃げてきちゃったし…


いろいろたまった私にとって今日ほどつらいものはなかった。


「聞いてるのか?」


「……………」


だから今まで溜めていたものが出てしまったんだと思う。


「桔梗?!」


「……きいてるし」


「ん?」


「だから聞いてるっていってるじゃん!」


「なんだ?その反応は。」


1度溢れだしたものは止めることが出来なかった。


「大体さ、いつも何も言わないんだから機嫌悪いからって私に当たらないでよ。」


「…………………!!」


私が初めて反抗したのと、図星だったのか驚いた顔をしていた。


私はそのまま、言い切って自分の部屋にこもった。


「酒臭い状態で言われても、何にも説得力ないから。やめてくれる?」


「…!ききょう!桔梗!?」


あの人の呼ぶ声が聞こえてたけど、私はそのまま部屋から出ることはなかった。







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