その男、危険につき ~BGM アラフォー懐かしver~
あの日に帰りたい

これも3ヶ月ほど前だろうか。

女がほろ酔い気味で
駅からふらふら歩いていたあの日、

ちょうどニュースで地元が
女性の足元ばかりを狙って
タックルする不審者で騒がれていた頃だ。


何となく路地を見ると、
自分より十は若いであろうOL風の女性が倒れていた。

驚きながらも、直ぐに駆け寄り声を掛けた。

『大丈夫ですか?』


女性はうなずきながら起きあがると、
びっくりしただけだと説明し、礼を言った。


メールをしながら歩いていたので
よくはわからないが、

男がぶつかってきて、
倒れて脱げたヒールを手に取ると
無言で手渡して行ってしまった、とのこと。


偶然だったのだろうか。


お互いに気をつけましょうね、と
踏み切りを渡ってゆく女性を見送った後、
気がつくと足元に、小さなポーチが転がっていた。


女はそれを、持ち帰った。
< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop