On Your Mark
美しき世界
入口には僕たちの航空機しか入らず、三機とも右旋回で回避し、そのまま遠ざかっていくのが見えた。

後ろに対しての恐怖は無くなったが、真っ暗に広がる目の前の恐怖が無限のように広がっていく。

航空機の照明でどうにか前方が照らされているが、もし、目の前が行き止まりになったら・・・

僕たちはそのまま突っ込むことしかできず、間違いなく全員ここで死んでしまう。


「本当に大丈夫かよ」


思わず本音が出てしまったが、誰も僕の言葉に反応しなかった。



少しでも操縦を間違えれば、行き止まりじゃなくても僕たちを死に追い込んでしまう。

そんなプレッシャーがレイを黙らせる。



自分の考えが間違えれば、もはや死しか僕たちには待っていない。

そんな責任がイビルを黙らせる。



それでも、僕たちはただ祈るしかなかった。
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