もしも明日もあったなら。

少しの沈黙。
あの、と言おうとしたところで、

「そっか」

と、ふわっとした笑顔でこちらを見た。
胸がドキドキして止まらなくなってしまった。

「ぺこは?」

「えっ、あっ、駿?駿も好きだよ!」

急に駿のことになったから、橋本君にとってどうでもいいことなのかもしれない。
ほっとしたような、残念なような…

「そっかぁ!お前いいやつだな」

「え?ぜ、全然そんなことないよ!!」

「でも、俺もアイツら好きだよ。もちろん花咲もな!」

「あ、ありがとう……」

恥ずかしくて下を向いた。


いつか、私が橋本君に別の意味で同じことを言うとき、同じ答えをしてくれるといいな。
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