もしも明日もあったなら。

その夜。
ゆかりと長電話をして、終わった私は猫と遊んでいた。
そんな時、またもやメールが届いた。

表示を見ると、『弥生』の2文字。

慌てて内容を見ると、『今大丈夫?』との簡潔な内容。

『大丈夫だよ!』と送り返信を待っていた。

『よかったー急にごめんな』

『ううん、全然大丈夫!』

『あのな相談があるんだ』

え…相談?
どうしよう、恋愛相談とかだったら…

『おれさ、好きな人が出来たんだ』

見事に私の悪い予想は当たってしまった。
一瞬意識が飛んだ私はすぐに復活して、返信をすぐに送った。

『そうなんだ!ちなみに誰なの?』

『それは言えない』

『そっか…』

秘密にすると余計に気になってしまうのが人の本性だと思う。

『もしかしてそれって私の知ってる人?』

続けて送ってみた。
すると返信は早く、

『ある意味そうかも』

と、謎の答えが返ってきた。

『うん、わかった。じゃあそれは言わなくていいや』

『ありがとな。でさ、女子ってやっぱり恋愛したら誰かに言うもん?』

『うーん、人に寄るんじゃないかな?私は信頼してる人だけに言うよ』

『え、実陽もいるの?』

名前が出てきただけで嬉しくなった。

『え!?いやー、どうだろう』

笑っている絵文字をつけて誤魔化した。

『あー、誤魔化してるー』

こんな風にふざけあってメールするのが嬉しくて。

『そんなことないよー』

ずっとしていたい。
君の好きな人と君がうまくいかないでほしい。


ふとそんな歌があったなと思い出していた。

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