助けてくれたひとは………
京也の正体

「……実李
北守組って知ってるか?」

北守組……
確か全国No.1の極道だったよね


「うん
知ってるよ、有名だもの」

「俺は、北守組の…時期組長だ
そして、秋良たちは俺の側近みたいなものだ…」

「そうなんだ…
でも、それだけで京也を嫌いになるはずがないよ」

私がそういうと


京也は


「俺は、昔…荒れてたんだ
族にも入ってたし、切れると何をするかわらない…人を殴たりする。今は組の仕事もしているし、組の仕事は綺麗なことばかりじゃない…」


俺は、そこまで言うと少し…間をおいた

実李を見ると何かを考えている顔をしていた……

嫌われたかもな…
そう思ったのも
つかの間

実李が口を開いた

そして、思っても見なかったことを言った

「そうなんだ
…でも荒れていても、荒れてなくても京也は、京也じゃないの?」

そう言う私に京也が驚いた顔をした

「怖くないのか…俺の話を聞いて」



「んー怖くないかも…
だって京也は、優しいもの」

私が、そう言い終わり微笑むと
京也は黙ってしまった

「………………」


しばらくして
笑い声が聞こえた


「「「……ふっ」」」

琉架さん達が笑っていたのだ

「…京也が黙るなんて
俺は、お前を認める…実李」



「……ん?
“認める”ってどういうこと?」

と聞いてみると


「そこら辺にいる女と同じだと思ってたんだよ……初めは」

薙沢さんは、
苦々しい表情になりながら話した

続けて

「俺の思っている女は、媚を売ったり
俺たちや京也の外見、地位しか見てなかった奴ばかりだからな………
だけどお前……いや実李は、京也の中身までちゃんと見ていた
だから俺は、お前を認めると言ったんだ」

「…ありがとう、薙沢さん」

「あぁ
それと…透でいい」


「うん透さん」

京也と過ごしてまだ1日なのに
私のことを皆“認めて”くれた……

前までの生活だったら
そんなことを言ってくれる人もいなくて

京也だけだと思ってたのに
私のことを認めてくれる人は…………

でも

「俺もちゃんと認めてるよ」

「…俺もだ」

3人も私のことを認めてくてた…

「……ありがとう」

私は、今日や以外には笑えないと思ってた

なのに自然に笑えた……
すると

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