助けてくれたひとは………

京也sido


俺が起きると実李が小刻みに震えていた

だが、
その理由がすぐにわかった

俺に用事があったらしく
琉架達が俺の寝ている間に来ていて実李と話をしていたんだ

琉架達は実李が震えていることに全然気づいてなくて、
実李が限界だと思って口を開いたら

実李は俺が起きたことに少し安心した表情をしたが
いまだにからだの震えが止まっていなかった

なにも言わず実李を抱き締めると
多少恥ずかしがっていた実李だったがすぐにおとなしくなって、
気づくと震えも止まっていた

よかったと思っていたけど
………周りがさっきからうるせぇな

ずっと実李しか見ていなかったが
前を見ると
琉架も秋良、透が驚いた顔をして俺を見ていた

……当たり前か

俺は
女に優しくなんてしないし、
それどころか自分から女を抱きしめたことなんかなかったのに
今は自分から女に接しているんだからな
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