心の裏側と素肌の境界線を越える為に
過去の悲しみ
「あたし…好きな人ができたの」

泣きながらの電話からの言葉…。

その言葉を、何度…聞いたことだろう。

その癖…。

「あたしが…どれくらい好きか…わかってない」

その言葉も何度も…聞いた。

年上だった…初めての相手だった。


僕を嫉妬させる為に言ってるのかと、最初は思ったけど…。

違った。

今度の相手は、彼女の亡くなった彼氏に似ていた。

彼女の家に遊びに行った時…まるで、僕を拒むように…あった何枚もの写真。



「だから…別れて…」

彼女の言葉を、最初は拒んだけど…僕は、最後は…受け入れた。

もう…その男と、二人きりで会っていたし、

写真を思い出し…僕は大人しく身を引いた。
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