暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
 帰ろうとした加奈は、店内の壁にかけられた時計に目をやる。



「ん~。

 でも、あと10分くらいは平気だよ(フシュー)」


 浮かした腰を再び椅子に下ろそうとした。




 その時。

 店の前に置かれたメニューを眺めている若いカップルの姿が、ママさんたちの目に入る。



 感じからすると、今にも店内に入ってきそうだ。



―――ま、まずいっ!?


 ママたちの背筋に冷や汗が流れる。



「前の予約の人が早くに終わることって、よくあるわよね!?」


「あるある!!」


「それに、万が一遅れたりしたら、予約の取り直しって面倒よ!!」


「そ、そうよっ」


「花粉症が治ったらまたゆっくりランチしましょ?
 
 ね、ゆうママ!」




 店外のカップルの様子を横目で伺いながら、ママさんたちは加奈を帰そうと必死だ。



 加奈が座らないようにと、即座に自分たちの荷物を空いたイスに乗せつつ・・・。 
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