暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
 唖然とする人々の波をかき分け、快調に進む。

 風を受けてコートをひるがえし、軽やかにペダルをこぐ加奈。


 時折『チリン、チリン♪』と言う彼女はあまりに突っ込みどころ満載で、どこから突っ込んでいいのか分からない。


 5月の爽やかな風に代わって、マッタリとしたなんとも言えない空気が流れる午後の事であった。








「今夜のメニューは何にしようかなぁ」

 家に残っている食材を思い浮かべる。

「ん~。

 あ、ひき肉が残ってたっけ。

 よし、ロールキャベツにしよっと」



 自転車をスーパーの駐輪スペースに停めた。


 タイミングのいい事に、いきつけのスーパー店頭で農家直送の野菜が販売されている。


 周りに誰もいないので、加奈はじっくり時間をかけて品定めをしている。

 持ち上げて重さを比べてみたり。


 切り口を見て新鮮さを判断したり。


 キャベツをおでこに当ててみたり。

(・・・それでキャベツの何が分かるんだ?)
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