☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆

 「……」
 右の乳房が、クラスメートである箸矢涼の顔に変わっていた。

 「……」
 箸矢は、隣の左の乳房に釘付けになっていた。
 不幸中の幸いか茶碗子の左の乳房は、防水型の折り畳み傘の様に水を弾く、見事なぷりぷりっとお椀型の美しい乳房のままである。

 「……」
 しばらくその「隣人」に見惚れていた箸矢だったが、逆に視線を感じ顔を上げた。
 瞳と瞳が逢った。

 箸矢は、茶碗子の顔と左の乳房を交互に見てゴクンッと生唾を飲んだ。
 茶碗子は、箸矢を見つめたままピクリッとも動かない。

 「あ、いや、オナ、オナ、同じクラスの……」
  箸矢が口を開いたが、その声はまるで千鳥足。

 「箸矢君でしょ。私の胸で何やってるのですか?」
  茶碗子は瞬きせずに呟いた。

 「いや、僕は……」
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