私を惚れさせて。私の虜になって。
真冬だってのに汗かきそうなほど走ったあとは、塾長の目を潜り抜けて自習室に戻る。

「こーゆーのも、悪くないかな…」

松木には聞こえなかったみたいだけれど。

「あー、あと3日だぞ。模試」

「ホント。頑張らなくちゃね」

「お前、電車のりちがえるなよ」

「大丈夫だよ。そこまでアホじゃない」

女の子1人だなんて、少し変な感じだけど。

「すがちゃん、最後に」

「え?」

松木はまた、

また、キスをする。

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