私を惚れさせて。私の虜になって。
「変なの」

こんな私を好きになるなんて。

「上等」

ひと呼吸置いた松木は、

「もっかい聞くよ?」

私の目を捉える。

「付き合ってくれる?」

離してくれない。

「……こんなのと付き合って後悔しても知らないからね?」

「ん」

私の頭を優しく撫でた。

「…お腹減ったね」

「明日はメシ食えよ?」

「うっす」

当たり前のように手を繋いで、体育館の隅っこに向かった。

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