私を惚れさせて。私の虜になって。
「とりあえずどっか入ろうか」

レストラン街へ歩く。


「くっそうまそう」

「いや、こっちのがうまい」

2人が喧嘩して迷いに迷った挙句に、結局ファミレスに入った。

私の横には、松木。

前には、1人でデカデカと座るまーくんが。

「男が並ぶのは辛いもんなぁ」

だそうで。

メニューをテーブルの真ん中に置いた。

「俺これーっ」

まーくんはさっさと、ハンバーグを選んだ。

「お前デブるぞ」

「何日まともに食ってないと思ってんだよ」

「ん。俺はこれ」

「同じじゃんっ!」

同じようなハンバーグを選んだ。

「黙れ。すがちゃんは?」

こっそり、私の手を握った。

変な動揺を隠して、もう片方の手で松木が頼んだのと同じのを指差した。

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