私を惚れさせて。私の虜になって。
「どこ?」

松木の真似をして、私のとなりにくる。


「これ」

明日の電車の切符と、


夜行バスのチケット。

これで、行けって。


「え…」

2人とも、そりゃあ当たり前の反応。

日本で、ここから反対側だもんね。


「出発、明日って言っても、夜なんだ?」


「うん」


「よし!じゃあ、まー!明日は遊ぶぞ!」


「だな!」


「…え?」


こんな時期に?


後、1週間だよ?


「俺、焼肉行きたい」


「あ、俺も行きたい!」


みんな、 みんな、


私のためでしょ?


「すがちゃんは……?」


「おーい!菅原ぁー!泣くなって!」


だって、


こんなの、はじめてじゃん。


< 356 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop