私を惚れさせて。私の虜になって。
まーくんのスウェットを持って、松木の家を出た。


走んなくてもすぐに着く。


ピンポンを押したら、まーくんママが出た。


「友李ちゃんじゃない!入って入って!」


家の中に入って、だけど、玄関で。


「明日、施設に入れてもらえることになりました。なんか、色々、ありがとうございました」


「そう…。また、ハンバーグ食べに来てね」


「ありがとうございます」


「そんなこと、言いに来たの?」


「だって、お世話になったから…」


「寒いのに!こんな格好で!もぉー、良い子ねぇ!」


ガシガシと、髪を撫でてくれる。


「まーくんいますか?」

「いるよー。どーぞ。いってらっしゃい」


手を振られながら、まーくんの部屋に行く。


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