私を惚れさせて。私の虜になって。
「んぁ……っ」


甘い声と吐息が交じって、


銀の糸が引く。


「ははっ…」


自分からやっといて、恥ずかしそうに頭を掻く松木。


「ふふっ」


ちょっと面白い。


「…寝よ」


そっぽを向いて。


「うんっ」


そう言うと、電気が消えて。


途端に見えなくなった松木だけど、すぐに私を抱きしめてくれる。


「ふふっ…へへっ」


嬉しい、照れちゃう。


「なんだよ。早く寝ろ」


また、頭をしっかり松木の方に固定された。


「ねぇ、松木」


「ん?」


顔が見えるようになったら、


私から、松木に。



ちょっとだけの、キスをした。



「…ちょっ…なにやっ…」



「おやすみー」


固まっちゃった松木、可愛かった。


ふふっ、楽しいな。



「…ん、おやすみ」


真っ暗だけどあったかい松木の腕の中で目を瞑ったら、すぐに眠くなっちゃった。

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