私を惚れさせて。私の虜になって。
「…行くか」


そっぽ向いて私の手を引っつかんで。


赤い顔して。


「ねぇ、チャリ?」


「チャリなんて乗ったらその可愛いのが崩れるだろ」


「…可愛い、ね」


「照れてますかー?」


「そんな赤い顔して言われても肯定出来ませーん」



「まぁ、そこはね」


またそっぽ向いて、玄関で靴を履いた。


松木が開けてくれた扉をでたら、


「…ねぇ、なんの真似?」


車には俊くん、キャリーバッグにはまーくんが腰掛けて、タバコを吸ってるふり。


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