私を惚れさせて。私の虜になって。
「おー、なるほどな」

すっきりした、というように笑った。

「ん。」

私だって、自分の勉強したいから。

用が済んだなら、終わり。

「かえりなさーい!!」

「あ、はいっ」

塾長が自習室に入って来て、叫んだ。

「帰るか」

「……うん」

や、なんだけどな。

時間なら、しょうがないのか。

「ありがとうございましたー」

帰り支度をささっとして、塾を出た。

…つか、やろうと思ってた宿題やれなかったし。

ま、いっか。

「じゃーな」

「ばいばい」

家の方向が全く逆な私たちは、塾の前でわかれる。

それぞれが自転車を走らせて帰った。

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