私を惚れさせて。私の虜になって。
ぼっちで、長い1日を過ごして、

家に帰った。

「友李ちゃん。ちょうどコーヒー淹れたの。飲も」

湯気が立っているカップを私に差し出す。

「うん」

「友李ちゃん、深山にするんだってね」

お母さんは、高校の話をしてきた。

「…うん」

結局、1番無難だったから。

1番私相応で、公立で、近いから通学だって自転車で行ける。

1番、お金をかけない方法。

「…友李ちゃんが本当に気に入ったんならいいんだけどさぁー」

まだ、何か?

「なんか、バカなこと考えてるでしょ?」

「え?」

バカ?

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