人間嫌い少年少女
…俺、さ。

抱きとめたよ?

人と関わらないポリシーの俺が。

人肌に触れたよ?

奇跡だなぁ。これ。

「樹坂君、ありがとう。本当に…」

「よかった。俺、柚花さんが、どうにか
なりそうで…」

「…あの、ね。樹坂君…提案なんだけど、名前呼び、しな、い?」

そう言った彼女は真っ赤だ。

「え、え、い、いいいいいよ!もちろん!えっと、確か…」

「雪音」

「ゆ、ゆき、ね…」

「樹坂君は、康太、だよね。
康太、改めてよろしくね」

緊張する。恥ずかしい。なんだこれ。

「あのさ、雪音…」

「何?」

「これからお昼、一緒に食べないか?」

「いいよ。嬉しい。友達と食べるの、
はじめてだし。」

「俺も。」

そういって笑いあう俺達。

これが、友達か。
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