嫌いなアイツ


「それがいいんだ」


先輩はそう言いながら一瞬寂しそうな目をした


一瞬だったけど…どうしてそんなに寂しそうだったの?


それに"それがいいんだ"ってどういう…


「お待たせしました~。アイスココアとパンケーキです」


そんな店員さんの声に私はハッとする


「ありがとうございます。彼女の前に置いてください」

「かしこまりました~」


先輩がそう言うと店員さんは私の前にココアとパンケーキを並べてくれた


「ごゆっくりどうぞ」


そう言って店員さんは去っていった


「早く食べないとパンケーキ冷めちゃうよ」


そう言う先輩はもう寂しそうな目をしていないいつも通りの先輩に戻っていた
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