心掻き乱れるほど恋い焦がれて
「……な、にこれ…」
目的の漫画は一向に見つからず、たまたま開けた引き出しの奥 ―― 上に乗っていた物を退けたらそこには結構な本数のDVD。
そこで止めとけばよかったのに、何気なく手に取って失敗。それは想像通り、エーブイというもので。
他のパッケージも手に取って引っ張り出して、目の前の床に広げたそれは……やけに、制服とかが多かった。あと巨乳。
まぁ、別ににいいよ。こんなに長く付き合ってきても、私が知る限り、翔太は浮気とかしたことないし。
しょうがないんだろうな、って頭では分かってる。
付き合いも長くて、その上同棲なんかしてるから、私たちは非常にまったりとして既に夫婦みたいな状態。
それでも、同棲を始める前、別々の大学に通っていた頃はなかなか会えなかったから、久しぶりに会った時なんかは結構盛り上がったりもして。
まだ帰したくない、とか翔太に抱き締められて、ドキドキしたこともあったなぁ、と過去に思いを馳せる。