【続】裏アリ男子にご注意ください!
「どのあたりではぐれたんですか?」
「んっとねー……りんごあめの屋台のあたり」
わかりました、と北上が返事した。
気づけば北上の足はりんごあめの屋台があったほうに向かっている。
「すっごい人だね……」
もう、前後左右ずっと人にぶつかりながら歩いてる感じ。
「大丈夫ですか?」
どうでもいいようなつぶやきに、北上が気遣ってそう訊いてくれる。
「ありがとう、大丈夫……」
「それならよかったです」
しばらく歩いていると、りんごあめの屋台の前に着いた。
きょろきょろあたりを見回してみる。
すると……。
「直樹!」
遠くのほうでふらりと歩いている直樹を見つけた。