【続】裏アリ男子にご注意ください!
《梨花side》
「楽しかったね、北上!」
「はい」
デートからの帰り道。
あたしは北上の運転する車の助手席に座り、楽しかった思い出にひたっていた。
「いろんなもの買えたし梨花、うれしかった」
「久々にはしゃいでいらっしゃいましたからね」
北上は優しい笑顔で話してくれている。
でも、梨花にはひとつ、心残りがある。
「……北上は、楽しかった?」
「……え?」
「あの、梨花、自分だけ楽しんじゃったから……」
そういえば北上は、自分の買いものをしていない。
梨花だけ、色んなもの買ったり食べたりで。
北上は……?