【続】裏アリ男子にご注意ください!
こんな偶然ってあるの?
同じクラスだったうえに席まで隣どうしだなんて……。
いったい何分の一の確率なんだろう?
「都築くん、おはよう」
つき合ってることは秘密だから、ホントはあまり話しかけちゃいけない。
でも、あたしはすごくうれしくて……そう、精一杯のそっけなくあいさつをしてみた。
「うん。澤上さん、おはよう」
誠は本から目を離してあたしの顔をみると、本当に一瞬だけ微笑んだ。
一秒もないくらい。
でも、あたしには十分だった。舞い上がりそうになるのを必死におさえながら席に座る。
……しばらくすると、どこからか「都築くんの隣とかいいなー」なんて声がきこえきて、女の子からたくさんの痛い視線を感じた。