僕と三課と冷徹な天使

嫉妬

自分がこんなに
ヤキモチ焼きだとは思わなかった。

部長がコオさんと仲良く話していると
いつも、ちくしょう、と思う。

元彼の坂崎さんに対しては
ちくしょう、どころじゃなかった・・・

コオさんとお似合いのいい男。

そして二人の間にある親密な空気。

かなわない、と思った。

かなう?つもりだった?

コオさんの家に行って
ごはん一緒に食べて
ハグなんかされちゃって
いい感じだと思ってた。

もしかしたら、もしかするかも
なんて期待してた。

坂崎さんに
僕の希望を笑顔で踏み潰された気がする。

・・・そんなことを思ってしまって
俺って嫌なやつ、とため息をつく。

坂崎さん、何もしていないのに。

何もしていない坂崎さんに
完封負けな気分の僕。

ああ、もう。

情けない・・・

元彼が登場しただけで
なんでこんなに落ち込むんだ?

っていうか、今まで何で考えなかった?

恋人がいるかも、って森本と話してて
いるに決まってるよなって言って
結局いなかったけど、
元彼はいるに決まってるじゃん。

親レベルでいるに決まっている存在だよ。

なのに、全く考えたことはなかった。

盲点・・・。

いや、考えたところでどうしようもないか。

目の前に現れないと都市伝説としか思えない。

だって、俺には元彼女なんていないもん・・・

想像上の生き物だもん・・・

ふと我に返って時計を見る。

・・・ああ、そろそろ戻らないと、コオさんに怒られる。

仕事できるかなあ・・・

重い足取りで三課に戻る僕だった。
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