鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 あたしはというと・・・・・・神様につかみ掛かっていた。



「なんで、ムギの前であんなこというの!?


 ムギの前で・・・・・・なんであんなっ・・・・・・!」



 あたしはまた、涙を流していた。


 なんで、ムギが目の前にいるのに、あんなに残酷なことを言うの?


 ただでさえ、ムギは彰のことで心がボロボロになっていたのに。


 さらに、追い撃ちをかけるように。


 ムギの心に、深い傷をつけた。


 きっと、一生深い切り傷として膿み続けて、治ることを知らない。


 ずっと、治らない傷を、ムギの心につけてしまったんだ。



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