鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 お、母さん?


 突然のことに、頭がうまく働いてくれない。


 動かないあたしの代わりに先に動いたのは、ナトだった。



「すずかさん?大丈夫ですか?


 返事してください!すずかさん!」



 彼女はお母さんを揺する。


 けれど、お母さんは目を覚ます気配はない。



 ウソだよね?


 夢なんだよね?


 自分自身にそう言い聞かせるけど、目の前のことが衝撃すぎて目を逸らすことができない。



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