俺様社長と秘密の契約
「もう、これ以上理子を傷つけたくない。…俺の気持ち、分かってくれるな?」
「龍吾さん・・・」

悲痛な表情で私を見下ろす龍吾。
・・・こんな顔をさせる為に、龍吾から離れたわけじゃない。

「…これを、理子にやる」
「…これは?」

…胸ポケットから出した白い封筒を手渡され、私は、龍吾を見上げた。
龍吾は優しく微笑むと、


「それは俺からのラブレターだ、帰ってから見るといい」
「・・・」

首を傾げる私を見てクスッと笑った龍吾は、私の髪にキスを落とすと、その場を去っていった。

…私はしばらく、その封筒を見つめていた。

< 119 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop