できちゃった結婚です!


「どうした、杏」
「うん、見て」

違和感ではない、はっきりとした主張がわたしのお腹を蹴ってくる。
それは服の上からでもわかるくらい。

「もしかしたらわたしもいるよって言ってるのかもしれないね」

「そうだな」


新が笑ってお腹に手を当てる。
すると、嬉しいのか、赤ちゃんの動きがさらに活発になった。
ぽこぽこ、と元気に動いている赤ちゃん。
それはしばらく続いて残念ながらキスからその先をするのが難しくなった。
でも。さっきまでとは違う、穏やかな空気が私と新の間に流れている。


「新、ごめんね。私、疑ってた。新、
もう私の事何とも思ってないんじゃないかって。こんなお腹だし」

「赤ちゃんがいるんだ。そんな言い方するな。それに」

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