鬼部長と偽装恋愛はじめました
自然と漏れる甘い声に、乱れる呼吸。

祐平は慣れた手つきで私の服を脱がすと、自分もTシャツを脱いだ。

締まった胸板は、ドキッと見惚れるほど色っぽい。

「香奈美、可愛いな。緊張してる?」

「うん。とっても。祐平は、余裕だね……」

意地悪く言うと、祐平はクスッと笑った。

「オレは嬉しいから。じゃあ、緊張なんて感じられないくらいに、気持ち良くしてやるよ」

「あっ……」

そう言って祐平は、私の胸にキスを落とす。

何度も、何度もキスをされ、やがてベッドの軋む音が部屋を響かせる。

だけどそれ以上に、大きく響いていたのは、私の甘い声だった。


どれくらい、時間が経ったのか。

肩で息をするほど呼吸が乱れた私たちは、体も汗ばんでいる。

「香奈美……」

ベッドでうつろになっている私を、祐平は強く抱きしめた。

「なんだか、まだ信じられない気分……。祐平と体を重ねたのが……」

重ね合っている時間は、本当に幸せを感じられていて、祐平の優しさが垣間見れた。

そんな夢見心地で言うと、祐平は私の額を優しく弾いた。

「夢じゃないからな。これでもう、他の男が入り込む隙は与えないから」
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