佐伯先生×ゆあちゃん【短編集】
しろやぎさん
真昼の研究室。
二人しかいない中、ゆあと対面している。

「もう一度聞く、昨日渡した資料はどこにある?」

「…たべちゃった」

また右下を見ている。
ゆあが嘘をつく時必ず視線をそらす。

この嘘でまかり通ると思っているところが凄いな。

・・・

15分前

「あれ? あれれ??」

ゆあが何やら慌てていた。

机の上の物をガサゴソとどかし、床を這うようにして見ていた。
僕はあと少しで切りのいいところだから、論文の執筆に集中し、どうしたのかとは聞かなかった。

「葉月くん、昨日の資料をくれないか」

彼女にそう問いかけた時に、ゆあがギクリとした。
どうやら先ほど探していたのは僕の論文に必要な資料だったのか…。

そして冒頭に戻る。

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