白雪姫の願いごと
「あぁもう、やっぱりマサ君大好きーっ!」
私はパッと顔を明るくすると、そのままマサ君の広い背中に抱き付いた。
「……ひっつくな。肉が焦げる」
「とかなんとか言って、照れてるだけのくせにぃー!」
「……それ以上調子に乗るなら炙るぞ」
「それは勘弁!でも離さなーい!」
「…………」
「あ、ちょ、本当に炙ろうとしないでごめんごめんってばー!!」
私は慌ててマサ君から身体を離すと、手を洗うべく洗面所へと向かった。
ふと鏡を見れば、ニヤニヤとにやけている自分と目が合う。
でも、それも仕方ない。
(えへへっ、ドサクサに紛れて今日は抱き着いちゃったー!)
私は飛び上がりそうになる気持ちを抑えながら、バシャバシャと手を洗った。