白雪姫の願いごと




「あぁもう、やっぱりマサ君大好きーっ!」



私はパッと顔を明るくすると、そのままマサ君の広い背中に抱き付いた。



「……ひっつくな。肉が焦げる」


「とかなんとか言って、照れてるだけのくせにぃー!」


「……それ以上調子に乗るなら炙るぞ」


「それは勘弁!でも離さなーい!」


「…………」


「あ、ちょ、本当に炙ろうとしないでごめんごめんってばー!!」



私は慌ててマサ君から身体を離すと、手を洗うべく洗面所へと向かった。


ふと鏡を見れば、ニヤニヤとにやけている自分と目が合う。


でも、それも仕方ない。



(えへへっ、ドサクサに紛れて今日は抱き着いちゃったー!)



私は飛び上がりそうになる気持ちを抑えながら、バシャバシャと手を洗った。




< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop