How much?!


「はい、先輩」

「………ありがと」


志帆ちゃんから携帯を受取り、彼女が何て送ったのか確認すると。


『お疲れ様です。お仕事中、すみません。今夜、ご自宅に伺おうと思うのですが、何か食べたい物はありますか?アレルギーがあれば詳しく教えて下さい』


社交辞令とも思えるような丁寧な文章だった。

さすが、志帆ちゃん!

本当に頼りになります。



「栄養のあるモノって?」

「そうですねぇ~。今の時期なら、鍋ですかね~?」

「ん、鍋なら間違いないね」

「麻生さん、料理する人?」

「へ?」

「調理器具とか調味料とか、ご自宅にありました?」

「………どうだっただろう?キッチンは見てないなぁ」

「じゃあ、メールで確認しておいた方がいいですよ~?」

「うっ……うん」


志帆ちゃんに見守れらながら何とか確認メールを送ると、すぐさま返信メールが届いた。


「一通りの物はあるらしい」

「へぇ~。じゃあ、自炊をしてるって事ですね~」

「…………そうなのかなぁ」


イメージが湧かない。

部屋は殺風景な感じだったし、必要最低限の物しか置かれていなかった気がする。

もしかしたら、物が沢山あるのが苦手な人なのかもしれない。




私達は昼食を済ませ会社に戻ると、事務所がいつもより賑やかになっていた。


自分のデスクに向かう途中、事務の子達に取り囲まれている人を発見。

賑やかな原因はあの人だったのか、と他人事のように視線を向けていると。


「ッ?!」


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