Not to memories
素直な人
放課後、
もしかしたら
補習授業に来ないかもしれないと思い、
中村くんのクラスの教室にむかってみた。
だけど、私の予想はいい意味で外れ、
補習授業を行う教室に向かうまでの
渡り廊下を歩いている中村くんを見つけた。

「中村くーん!!」

「あっ飯田さんよかった。
宿題やってみたんだけど、自信無くて。
教えてくれない?」

「もちろん!」

教室に入るともうアカさんと
取り巻きの方々がもう席でくつろいでいた。

「飯田ちゃーん。どのツラ下げて、ここきてるん?」
今日も赤頭は目立っている。。そしてご立腹なご様子。。まぁ仕方ないか。。

「どうも。どのツラ下げてって、私なんかしたっけ?

あっごめん。中村くんこれ私のノート。
とりあえずこれ見て答え合わせして

あっ矢野くんもしよかったら中村くんの隣
座ったら?どうせやってないでしょ?
宿題。写していいよ。

ほれ、アカさんやその周りの人たちもこれ、
コピッといたから、写せば?
書くだけでも勉強になるんじゃない?」


「ほう?結局俺たち怖くなったんやろ?
媚び売ろうなんてなー。まぁゆるしてやるか?あんな調子乗っといて笑えんな」

取り巻きの方々もゲラゲラと笑っている。
なんだかなぁー。取り巻きの奴らも奴らだが、
アカさんってほんと。。
どうしようもないやつ。
ほっとけないと思うのは
どこか私に似てるからなのかな。。

アカさんの目の前にいき、顔を殴った。

「テメェ。」
アカさんは立ち上がり、
私を殴ろうと手を出したが、
とっさにかわしてしまったせいで、
イライラ絶頂という顔をしている。

「先生に言えばおめぇ退学だな。
かわいそーに。飯田ちゃんの学校ライフ終了」

学校ライフって。。私にとってそんなものどうでもいーし。。
「笑える。ほんと。先生が優等生である私と、
あんた、どっち信じると思ってんの?

それに先生って。。。

結局お前ら中途半端に悪ぶってるただの反抗期の男の子じゃん。ダサすぎ。本当笑えるな。ブフ」

「。。。」

「髪の毛赤い上に顔まで赤くなってる。かわいー」

「テメェ。」

「ハイハイ。学校辞めたくない奴、私の宿題コピー、補習授業中に写しちゃいな。ほれ。」

アカさんの取り巻きはおとなしく、
私のコピーを受け取り、
ノートに書き写している。

アカさんはイライラした様子で、走って教室を出た。逃げちゃった。。やっぱり根性なし。
ダメなやつすぎ。
はぉもーしかたないな。私も教室を出て、アカさんを追いかけた。

「おーいアカさん」

シカトかぁー。仕方ない。
「こらちょっと来い」
ちょうど渡り廊下に居たので、腕を取り引っ張って、中庭のベンチに座らせた。
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