Not to memories
次の日から大学受験授業が始まった。
意外にも授業を受ける子が
多く20名ぐらいが集まった。
その中に遠藤さんもいるんだけど、
結構、日が経っているというのに。。
まだ一度も話せていない。。


授業には毎回宿題が付いてきて、
佐藤くんとまさとと3人で教室に残って
宿題を終わらせて、
少しどこかによってから
帰るのが日課になっていた。。
その時に遠藤さんも一緒に。、
って言ったんだけど。。
スルーされてしまって。。
私って
やっぱり嫌われているのかもしれない。

。。。

「えーっではここ。覚えなくちゃいけない、
公式なので書き留めておくといいと思います。
では今日はこれで終わりになります。。
あっ宿題ですが、
ここにプリント置いておきますので、
各自取ってください。。
ではまた明日。。ではなく月曜日に。。」

。。、

「あとすみません。。
飯田さん。。忘れ物が届いているそうなので、
職員室に行ってください」

「忘れ物???なんだろ。。。
ちょっと取ってくるから先に宿題やっててー」

なんか落としたっけ。。。
とりあえず職員室に行かなきゃ。

ガラガラ
「失礼します。三年の飯田です。
忘れ物取りに来ました。」

キモたんが私が来たのを確認し、
こっちに来る。。、

「化学室で話がありますので来てください」
。。。
なんかそんな深刻なこと。。?
なんだろ。。。

二人で化学室の奥の準備室に入った。

「そこに座って」

。。。
言われる通り椅子に座った。

「何?キモたん?どーしたの?」

「はい。これ。」

えっ。。。。
これ。。。
私の??
「どーしたの?これ?」.

「木本先生が見つて拾ってくれた」

切り刻まれた私の学生手帳。
いつからなかったんだろ。。。
私の顔写真はぐちゃぐちゃになっている。。

「ごめん。キモたん大丈夫だった?」

「??それこっちのセリフ」

「え?だってこんなん見つかったら、
担任としてまずいんじゃない?」

「そんなこと飯田が気にすることじゃない。
それより他になんかされてないのか?」

「されてないよー!!何にもない。
平気だって!!ごめんね、迷惑かけて」

「こら!いい加減にしなさい。」

「え?」

「自分の心配をしろ。 思いあたることは?」

「ありすぎて。。あはは!
でも大丈夫だから!ほんとーにねっ」

「。。。頼りなさい。少しは。」

「。。。じゃあ教えて。
遠藤さんってどんな人?」

「は?うちのクラスの遠藤?」

「うん。まだ一度も話したことなくて。
ほらうちのクラス女子は三人しかいないのに。
話したことないなんて寂しいでしょ?」

「。。。遠藤。」
キモたんはパソコンを開き、
生徒の情報が記載されている
ファイルを見てくれた。
そこには住所や両親のこと、
前のクラスでの行動まで、様々な情報が
書かれているらしい。

「住所ってどこ?最寄りの駅は?」

「光台」

「もしかしてまさとと同じ中学?」

「待って。。。あっそうだな。同じだ」

「前のクラスではどんな子?」

「おとなしい。。ぐらいだな」

「。。。。ありがとう。それじゃ」

「こら!なんの解決に」

「大丈夫!ねぇキモたん!
家の近くの桜並木どうなった?満開?」

「あと少しかな?」

「咲いたら教えて!また一緒に散歩しよ」

「こら!話をそらすな!」

「え?頼ってるのに?散歩楽しみにしてるね!
じゃっまた!」

ガラガラ。。
私は化学室を出て、
教室に戻ろうとしたが、
外を眺めたくなり、
屋上に行った。

切り刻まれた学生手帳。
こんなものは大事でもなんでもないから、
全く辛くはないけど。。。
まさとにストーカーしている相手が
遠藤さんの可能性が高い。
絶対的な証拠はないけれど、
ブレスレットが壊れた時間、
他のクラスはまだホームルームをやっていた。
その時点で気がつくべきだった。

。。。

どうしたらいい?
話してみなくてはわからない。。。

。。。
はぁ。。。

しかたたない。。
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