Not to memories
大切な人
。。。。。


。。。。。

彼女と出会ったのは、
高校二年の夏。

俺が初めて遅刻をした日のこと。

。。。。。
。。。。。。

やべ。遅くなっちまった。。
ようやく学校の最寄の駅に着いて
時計を見るともう8時半。
学校の始業時間だ。。。

もう確実に遅刻だが
少しでも早く学校に行こうと思い、走ろうとしたその時、
数メートル先に、同じクラスの飯田さんが
ゆっくりと歩いていたのが見えた。

なんとなく気まずい。。

走るのをやめ、飯田さんに気づかれないように
飯田さんとの距離を保ちつつ歩いた。

彼女とは話したことはない。
そもそも彼女が男子と話しているところを俺は
見たことはない。

彼女と言えば、テストではいつも学年一位だが、
それ以外の存在はなにもない。。

気にせず普通に追い抜かそうとしたが、
彼女の後ろ姿に、何かを感じ、
走っていた足を止め、ゆっくりと歩くことにした。

彼女は後ろで歩いている俺の存在に
気づくことなく、気持ちよさそうに空を見上げながら歩いている。

その姿に誘われて、俺も空を見上げると、
雲ひとつない、真っ青な空を綺麗だと感じた。
< 4 / 358 >

この作品をシェア

pagetop