華麗なる安部里奈
「危ない事をしたらダメだって、パパも言ってたよ」

「アッちゃんは年少さんだからできないけど、私はできるの」


「でも……お兄ちゃんも危ないって言ってるよ……」

「テッちゃんは勇気がないだけだよ。私はこんなの恐くないもん」

そう言うと、私は噴水に向かって歩き始めた。



「やめろよっ、里奈」

テッちゃんは私を止めようと、さきほどより少し強い口調で言う。

「もうやるって決めたんだもん」

私はそう言うと、噴水の中へゆっくりと足を入れる。



靴も靴下も脱がなかったため、私の靴と靴下はすぐにびしょ濡れになった。

本当はここで、すぐに靴と靴下を脱ぎたいと思ったのだが、脱ぐとテッちゃんに止められる口実になってしまうような感じがしたので、何事もなかったかのように平然とした表情で女神像へと近づいた。

バシャバシャバシャッ……。

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