華麗なる安部里奈

試食

私がカレーを作り終えた頃、テッちゃんも宿題が終わったらしく、宿題を広げていたテーブルを片付け始めた。

そして、アッちゃんも観ていた『ドラキュラ時計』が終わり、トイレに立った。

律子さんはリビングの大きめのテーブルを拭き、サラダの入ったお皿などを置き始めた。テッちゃん、アッちゃん、律子さんがそれぞれ夕食に向けて準備をしているというが、家族ではない私にも伝わってくる。



私はそんなアッちゃん達の様子を見て、家族ではない自分が居たらお邪魔かもしれないと思い、律子さんに言った。

「律子ママ、私そろそろ帰るね」



すると律子さんは少し困ったような顔をして答える。

「お嬢様の夕食の準備はもう調理室のほうでしているでしょうしね。どうしましょう……」

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