年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
のんびりと食事を終えて、ついでだから買い物に付き合えと瑞香に引っ張られて、ショップを巡る。

誰かと一緒に買い物なんて私も久しぶりで、年甲斐もなくはしゃいでしまった。学生の時はよくこうやって二人できゃあきゃあ買い物したものだけど、仕事をし始めて、瑞香に家族ができた今、こんな時間は貴重だ。

入るショップも昔とは変わってきていて、前は怯んでいた値札のものも、わりとすんなりとレジまで持っていくことができるようになった。
あの頃は三十歳なんて遠い未来のことだと思っていたのに、なってみればあっという間だった。見た目や生活は年を重ねたものになって、その割には中身はあまり成長できていない気がする。


瑞香は気前よく散財していて、どこにそんな余裕があるのかと不思議に思って尋ねると、今までこっそり隠してたへそくりよ、と答えが返ってくる。どうやら毎月少しずつ貯金しておいて、貯まったらぱーっと使うのが結婚してからのストレス解消法らしい。
旦那が知らない通帳、ひとつは絶対作っとくのよ、と有難いアドバイスをいただいた。
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