年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
ホテルを出て、タクシーに飛び乗る。

ノーブルの住所を告げて、逸る心を押さえるために、座席に深くもたれかかった。


まだ多分、残って練習してるはず。
早く会いたい、会って、きちんと好きだと伝えたい。


信号待ちをしている間が惜しく感じる。


早く早く、私を大輔くんの元へ連れて行って。


あと少しでノーブルだ、というところでまた信号に引っかかって、もどかしくなってそこで降りた。スクリーンが降りたガラスから明かりが漏れ出ているのが見えて、高いヒールで駆け足になって、急き立てられるまま階段を駆け上がる。

ばん、と乱暴にドアを開けると、中にいたのは辻井さんと、あの綺麗なモデルさん。辻井さんが驚いた顔で、きょろきょろ店内を見渡す私に近寄って来る。
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